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Faithブログ ~ 小倉広「仕事日記・道楽日記」 ~

Faithグループ

株式会社フェイスホールディングス 代表取締役社長
1965年新潟市生まれ。1988年青山学院大学経済学部卒業後、株式会社リクルート入社。商品企画、編集記者を経て組織人事コンサルティング室課長。1999年度リクルート社年間最優秀コンサルタント。1999年ソースネクスト株式会社(現東証一部上場)取締役就任、同年常務取締役。
2003年現株式会社フェイスホールディングス代表取締役就任。指示命令型カリスマ経営から自立自走型ビジョナリー経営への生まれ変わりを専門に支援する理念経営コンサルタント集団フェイス総研などグループ三社を経営。三万人への研修、二千人の経
営者へ接した経験とノウハウをもとに多くの企業の組織づくり、人材育成を支援している。
著書に「上司は部下より先にパンツを脱げ」(徳間書店)「あたりまえだけどなかなかつくれないチームのルール」(明日香出版)、「マネジャーの基本&実践力がイチから身につく本」(すばる舎)、「ビジョナリーカンパニーへの教科書」(秀和システム)がある。新聞、雑誌へのコラム寄稿や講演多数。
(信条)クールヘッド・ウォームハート
(趣味)ジャズクラブ巡り、名画座での映画鑑賞、老舗グルメ探訪、キャンプと焚き火
September 30

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April 25

主体性に任せたら滅茶苦茶になった…

できたてホヤホヤ・コラム

経営者の不満シリーズ第44

主体性に任せたら滅茶苦茶になった…」

(アミューズメント・ジャパン20084月号P151掲載)

 

「オグラさん、それでも部下に任せた方がいいんでしょうか?」

 

組織風土改革プロジェクト会議で、A課長から質問が出ました。彼によれば、部下であるB主任の主体性を養うために、朝礼の運用やアルバイトスタッフの管理を任せたところ、組織の規律が緩んで滅茶苦茶になってしまった、というのです。

 

「やる気もアイディアもあるB主任を信じて任せました。それが裏目に出たんです」

 

B主任は、スタッフたちの声を取り入れ朝礼のスタイルを大幅に改革。以前から厳しく運用されていた遅刻者へ対する罰則も廃止し、自由な風土を目指しました。

 

しかし、その結果として生まれたのが、緩く規律のない風土。遅刻者が続出し、勤務中もダラダラとおしゃべりが続くようになったのです。

 

「ここで私がやり直すのは簡単ですが、それでは次のリーダーが育たない。でも、今のままでは組織がダメになる。どうすればいいんでしょう?」

 

と悩むA課長。私は、人材育成において間違いがちな順番である『守・破・離』について伝えることにしました。

 

『守・破・離』とは、ものごとを習得する段階を三つに分けた言葉です。江戸時代中期、不白流茶道開祖の川上不白が茶道の修業段階として教え、転じて広く修行の段階を説明する言葉として使われるようになりました。

 

まずは自己流のアレンジや個性などを考えずに『守』、つまりお手本を忠実になぞることから始めなさい。そしてそれを覚えてから少しずつ『破』自己流のアレンジを加え、やがて師匠から『離』れ、独自の新しい世界へ到達しなさい、という考え方です。

 

B主任の場合、プレイヤーとしては十分にベテランの域に達していた。しかし、リーダーとしてはまだまだ新人。いきなりすべてを任せ、『破』=アドリブをやらせるのではなく、まずは『守』=上司術の基本をなぞらせる必要があったのです。

 

指示・命令だけで人が動くことはありません。だからといって、無規律な自由でも組織は成り立ちません。日本古来の知恵である『守・破・離』の順番で人を育てていくことは、人材の育成に欠かせないセオリーであると言えるでしょう。

 

その際、注意することが二つ。

 

一つ目は『守・破・離』の段階をきちんと本人に説明すること。将来的にはすべてを任せたいという旨を伝える。そして『破』の前段階として『守』をやっているんだ、という目的意識をきちんと持たせることです。 

 

二つ目は、経営者などの上司が『離』の段階であり、『守』と異なる場合もあると伝える。なぜなら、『守』を徹底させる時に多く聞こえるのが

 

上司は違うことをしてるじゃないか」

 

という声だからです。

 

経営とは矛盾の塊であり、矛盾を意図的に作り出すことでもあります。その意味では『守』に反する行動をとることもある…。それをきちんと伝えないと、要らぬ組織の摩擦を生みだします。

 

『守・破・離』というセオリー。人材育成にぜひお役立て下さい。

 

April 23

「離職率」を下げる秘策はあるか?

小倉広のオグ流 経営の大ウソ小ウソ

今月の大ウソ第37回

「『離職率』を下げる秘策はあるか?」

(グリーンべると2008年5月号P117掲載)

 

「オグラさん。今、現場は人が足りなくてヒィヒィ言ってます」

 

プロジェクト会議終了後、営業部長が話しかけてきました。

 

「採用も大切だけど、相変わらず離職率がひどい。採用してもドンドン辞めていくから一向に楽にならない。どうすれば離職率が下がるんでしょう?」

 

すぐにピンと来た私は、あえて答えを教えずに部長に質問をすることに。

 

「なぜ人が辞めると思いますか?」

 

「うーん…。ウチはよそほど給料が高くないし、肉体的にもしんどいですからねぇ」

 

「ホントにそれだけでしょうか?」

 

意地悪に尋ねる私に、部長は答えます。

 

「え?どういう意味ですか?」

 

私は、かつて在籍していたリクルート社が調査した『離職者の退職理由データ』に基づいて解説することにしました。

 

それによると『建前』の退職理由では『キャリアアップ』が第一位。しかし『ホンネ』の理由第一位は、なんと『上司との人間関係』と出たのです。私は部長に、心当たりはないかと質問してみました。すると…。

 

「大いにあります」

 

離職率を下げる、という課題は従業員満足(Employee Satisfaction)の改善に直結します。つまり、あらゆる事柄を変えなくてはならない。つまり、これだけを行えば離職率が下がる、といった魔法の秘策はないのです。

 

それらを踏まえた上で、あえて実効性の高い施策をあげるなら、上司と部下の人間関係=信頼関係の改善に力を注ぐことが最も効果的だと言えます。

 

しかし、これが一番難しい。なぜなら、信頼関係はスキルやテクニックで築くものではなく、上司力=人間力を高めるという壮大なテーマと深く繋がっているからです。

 

ただ、何事にも存在するものが『法則』。もちろん、信頼関係の構築と崩壊にも法則が存在します。

 

我々ピー・ワーク総研の主力研修である『Faith(フェイス・信頼)』で定義された『信頼を築く自然法則』は全部で三つ。一つ目は『相手を大切にする』。二つ目には『自分を指さす』。そして三つ目に『誠実である』…。おそらく、これだけを聞けば、当たり前のことばかり、と思われるかもしれません。でも知っていることと実際の行動は大違い。多くの現場で、やってはいけないことが当然のようにまかり通っているのです。

 

「どこから手をつけたらいいんだろう…」

 

途方にくれる営業部長に、私はゆっくりと声をかけました。

 

「社内の信頼関係を一歩ずつ積み重ねましょう。Faith(フェイス)研修を使うもよし、研修抜きで上司部下が腹を割って話す場を作るのもよし。急がず時間をかけて大切なことを大切にしていきましょうよ」

 

一見、採用課題のような人不足の話題も、原因をたどれば信頼関係に行きつきました。組織問題と言われるものの原因が信頼関係にあることは決して少なくありません。その根本課題に辛抱強く向き合った組織だけが勝ち残るのです。この企業はその第一歩を踏み出しました。あなたの企業はどうですか?

April 16

ようやく明日発売!『上司は部下より先にパンツを脱げ』

お待たせしました!

417日全国主要書店でようやく発売です

 

『上司は部下より先にパンツを脱げ』

~リクルートで学び、ベンチャーで試し、社長となって確立した99の仕事術~

 

http://www.faith-h.net/cs/ogura_book.html

 

4年にわたり、書きためてきた100本以上のコラムを単行本にしよう、と

盛り上がったのが約1年前。

 

そこから企画を練るうちに内容が二転三転し、ハッと気づけば、なんと全文

ゼロから書き起こしの原稿となってしまいました。

 

しかし。

 

御蔭で僕の初著作が、ほぼ僕の仕事の自伝のような内容になりました。

僕にとっては記念碑的なとても大切な本となりました。

 

タイトルのインパクトが強いため、賛否両論が起きています。

しかし、それこそ、1人でも多くの人に見てもらう、という目的は達しているようです。

 

今なら、予約キャンペーンとして特別プレゼントつき。

http://www.faith-h.net/cs/ogura_book.html

 

先週、メールマガジンで告知した日から4日間連続で、「起業・開業カテゴリー」において

アマゾンで1位を取ることができました!

(発売前の予約としては、ベスト10で唯一の売れ行きだったようです。)

 

いよいよ発売後、どれだけの人に手に取ってもらえるか…?大変楽しみでドキドキします!

 

また、発売後のご報告ができると思います。お楽しみに!

小倉 広

April 04

今月の大ウソ「見える化」は殺伐とした空気を生む?

小倉広のオグ流 経営の大ウソ小ウソ

今月の大ウソ第36回

「『見える化』は殺伐とした空気を生む?」

(グリーンべると2008年4月号P123掲載)

 

「今、流行りの『見える化』っていうやつですが、アレ、小倉さんどう思います?」

 

食事に向かうタクシーの中で、同乗していた顧問先の社長が話しかけてきました

 

「僕は好きじゃない。まるで競走馬にニンジンをぶら下げて競わせているみたいで、職場が殺伐としてしまいそうで…そんな会社にしたくないんですよ」

 

やはり…この社長も、多くの経営者と同様の勘違いをしているようです。私は失礼に当たらないよう気を配りながら、その誤解を解消する必要を感じました。

 

「社長、僕が十一年間過ごしたリクルートは、オフィス中にグラフや目標がべたべた貼りだされて、壁が見えないほどでしたよ(笑)。でも不思議なことに、殺伐とした雰囲気ではなく、暖かい空気に満ちていました」

 

社長は頷きながら、その答えを求めるように私の方を振り向きます。そして、真剣な表情でこう尋ねました。

 

「小倉さん、なぜでしょうか?」

 

私は『全自動厳しい装置が、人を優しくする』という日頃の持論をご紹介することにしました。

組織は『見える化』に代表される業績管理システムなどの仕組みと、それらでは担保できない、隙間を埋めるコミュニケーションによって動いています。つまり、組織運営上必要なことは、仕組みで自動的に行うか、上司が直接話すコミュニケーションで行うか、どちらかの選択が必要だということです。

 

因みに、『見える化』とは私の言葉で言えば『全自動厳しい装置』、つまり業績のプレッシャーを上司が口にしなくても、自然と部下に気づかせる装置のことを指します。

 

「『見える化』がきちんと機能すれば、上司は部下の尻を叩かなくて済みます。結果、部下に対して優しくなれる。当然、殺伐としたムードも無くなってしまいます」

 

「なるほど…」

 

と呟く社長に、私は言葉を続けます。

 

「『全自動厳しい装置』がないと、上司はマニュアル(手動)で厳しくするしかない…結果、部下の尻を叩き続け、挙句は職場が殺伐としてしまうのです」

 

一見、逆説的に見えるこの考え方、実はシンプルかつ力強い『真実』なのです。ポイントは全自動ということ。上司が口を挟まなくても部下がついつい見てしまう。そのためには、数字が狂っていないこと、毎日定時に確実にアップデートされること、楽しく注目されるような工夫(似顔絵など)が付加されていること、さらには上司自身が『見える化』に注目し、会話の題材にしていること、など、様々な工夫と辛抱強さが必要です。

 

しかし、一旦この仕組みが機能を始めると、組織はパワフルに変身します。社員が尻を叩かれず、自分で自分を駆動させます。そして、自立的風土が芽生えるようになり、上司が優しくなれるのです。

 

「そうだったのか…」

 

ため息をつきながら社長が唸りました。

 

「部下の尻、叩いてます。僕自身(苦笑)」

 

抜群の行動力を持つ社長のことですから、おそらく次にオフィスを訪れた時は壁一面に『見える化』が行われているはず…私は、その光景を目にするのが楽しみで仕方ありません。